果たして10年後もブロックチェーンは存在するのか

革命的は技術と言われるブロックチェーンは、10念後も存在するのでしょうか?

 

ブロックチェーン技術そのものに価値が無くなると予想を立てているのはTalla.comにて副社長を務めるWill Murphy氏(Will)の見解をご紹介したいと思います。

BlockそしてChainの意味を考える

 

10年後には、ブロックチェーン技術そのものに価値が無くなると予想を立てているのはTalla.comにて副社長を務めるWill Murphy氏(Will)です。

 

同社はBotchainと呼ばれる自律型ブロックチェーンのプラットフォーマーとして知られています。

 

Will氏はそもそもなぜブロックチェーンはBlockそしてChainという言葉を用いられているのかについて焦点を当てています。

 

同氏はブロックチェーンの最も興味深い要素を以下の様にまとめています。

 

  1. コンセンサスメカニズム(Consensus Mechanisms)
  2. マネージメントメカニズム(Management Mechanisms)
    *ブロックチェーンの開発を行うためには大多数のコンセンサスが必要な点
  3. ブロックチェーン自信の構造(The structure of the blockchain itself)

 

3点目は、ブロックチェーンが影響を与えることができるネットワークの範囲、そして取引が行えるスピードなどを意味しています。
では、実際に『ブロックチェーン』という文字のそもそもの意味を考えてみましょう。

 

Block:いくつもの取引が束になっている状態

 

Chain: Blocksが暗号化され線上に繋がっている状態

 

『Block』が無くなる時

Will氏は、将来的に『Block』自体に価値が無くなるとの主張を行っています。

 

その代替として、Will氏はトランザクション自体がお互いにリンクすることが可能となり、取引の承認作業を行うことが可能なシステムとなると信じています。

 

取引を行いたい場合、ユーザーは他のトランザクションの検証を行わなければいけなくなります。

 

つまり、自身の取引を遂行するためには他の取引に関わる必要が出てきます。

 

なぜ、このような手法を取るのかについて同氏は以下の様に述べています。

 

例えば、現在のビットコインの取引にかかる時間を見た場合、明らかにこの手法を取ることによって取引スピードが速くなります。マイナーは事実上必要なくなり、取引を行いたいものが現状のマイナーの役割を補うこととなります。取引人数が増えるほど、このシステム上の取引スピードは加速することが出来ます。

『Chain』が無くなる時

Will氏はBlockに対する考えと同様に『Chains』という概念も無くなると主張しています。

 

現状のようにまっすぐな線ではなくメッシュ状の、むしろグラフと呼ぶにふさわしい形状となるのではとの発言をしています。

 

同氏は

 

同一線上に繋がるのではなく、枝の様に幾つかに分かれた方向から取引が行われる形となるのかもしれません

と述べ同氏はその状態を『Transaction Graph(取引グラフ)』と表現しています。

 

また、現在その取引の形状は仮想通貨IOTAのプロトコルTangleで似たようなシステムが用いられています。

 

DAGという考え方

Will氏の考えに最も近いものとして有向非巡回グラフ(DAG)というものがあります。

 

Wikipediaでは以下の様に説明されています。

 

数学とコンピュータサイエンスにおける有向非巡回グラフとは、一定のサイクルを持ち合わせない有限有向グラフを指します。

 

DAGモデルはブロックチェーンとは違う働きを持っています。

 

一般的なブロックチェーンはマイナーを中心として仕組みが働いていますが、DAGはその様なプルーフオブワークやブロック生成などを必要としていません。

 

しかし、今後ノード数が増えていくと仮定したブロックチェーンにおいてはDAGモデルは理論上優れているということになります。

 

また、このシステムはイーサリアムで用いるGASの様な手数料そしてブロックチェーンのスケーラビリティ問題を向上させるモデルとなり得る可能性を秘めています。

 

将来的に、ブロックチェーンより優れた機能を持つシステムが誕生する可能性は大いにあるとWill氏は考えています。

 

DAGモデルは未だ改良が必要な点を大いに秘めているため、必ずDAGがブロックチェーンの代替となるとは限りません。

 

しかし、Will氏は非常に興味深いモデルであることは間違いなく、注目すべき存在であると主張しています。

 

現状、仮想通貨の根幹をなすブロックチェーン技術がどの様に働き、仮想通貨というシステムを作り上げているのか理解している人は決して多数ではありません。

 

Will氏が提唱するように、確かにブロックチェーンが10年後存在しているかはわかりません。

 

しかし、ブロックチェーン自身がその機能を今後も改良を重ね、進化していくこともありえます。

 

ただ、どの選択を取った場合でもまずは私たちの理解が追い付かない限り、本当の意味での非集権化システムの構築は難しいのではないでしょうか。

In 10 Years We Won't Have Blockchains

Will Murphy   2018/02/17

 

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