仮想通貨市場にはびこる市場操作の現状について気にすべきか否か

仮想通貨の市場においても、意図的な市場の操作が急速に増えてきていることが判明しています。

 

市場操作のなかには、いくつかは違法行為と捉えられるものもありますが、大多数を占めているのは『グレーゾーン』、違法でも合法でもないもので、それらは法整備が進んでいない境界を上手くすり抜けています。

 

市場操作は、もはやそこに市場があれば当然のようになっており、どの投資家もそこまで気にすらしていないというのが現状です。

仮想通貨市場における市場操作の始まり

仮想通貨市場における市場操作について

市場操作の様なものは、仮想通貨市場が出来上がった当初から存在しています。

 

ビットコインが誕生し、幾つかのアルトコインが市場に参入し始めたころにはすでに意図的に急激な価格上昇や、下落が頻繁に行われていたことは揺るぎのない事実です。

 

ただ、当時は時価総額が極めて高い通貨は存在していなかったため、その市場操作により利益を大量に生み出した投資家はそこまで多くなかったであろうことも想像がつきます。

 

むしろ、市場操作を試みて売り買いを繰り返していた投資家よりも今となっては、Hodle(ホールドの意味)の作戦を取っていた投資家の方が大きな利益を最終的に生み出すことに成功したといえます。

 

当時は今では時価総額ランキング上位に必ず入るライトコインなども$1で取引が行われていたこともあり、ホールドしていた投資家の利益は計り知れません。

 

2014年にはFontasという名前で知れ渡っている、市場操作を繰り返し行う投資家が現れだし始めました。

 

当時においては、このような行為を取引所内で行っていたとしても市場参加者は『Laissez Faire (無視して、そのままの状態にしておく意味)』を貫き通していました。

 

Fontasが実際、どの程度BTCの市場操作を行い稼いだのかについては不明ですが、当時の市場操作が行われたであろう時のグラフを振り返ると、相当な利益を得たのだろうと想像することが出来ます。

プライベートグループによる市場操作

市場操作は、仮想通貨市場が成熟してきている今なお、なくなることはありません。

 

その行為は以前のようの取引所でチャットボックスではなく、現在では招待制のSlack、Discord、そしてTelegramのグループなどプライベートな状態で話し合われ計画的に行われています。

 

現在も、市場操作における目的は変わらず、安く買い、フェイクニュースや嘘のパートナーシップ情報を流すことで市場を上昇させ、上昇しきったところで安く買ったものを売り切るという戦法を取っています。

 

市場を意図的に操作する行為は一見悪いように見えますが、短期的な効果しかなく、それに振り回される投資家には同情の余地はほぼありません。

 

市場操作はまだどちらかというと『良性』ということが出来、逆に以下の様な市場操作の手段が違法ではないものの、『悪性』と言えるべき方法となっています。

 

ーShitcoinと呼ばれている仮想通貨の開発者が、意図的にコインの価格が上昇するようにしむき、自身が所持していた通貨をまとめて売る手法

 

ー仮想通貨取引所を運営している側の中で、次期に上場させる予定がある通貨を事前に内部の者だけで情報を共有し、価格が安いときに買う手法、いわゆるインサイダー取引だが、仮想通貨にはまだその法律は無い。

 

ー仮想通貨を開発している側が、開発状況のアップデートを行う前に自身たちだけで通貨の買いを入れる方法

投資家を嫌うのではなく、市場操作を嫌え

仮想通貨市場では、日々投資家による市場操作を試みる動きを見ることが出来ます。

 

集団の投資家は、偽の動きを意図的に作ることに注力したり、Twitter上の有力な投資家などは自身がツイートを行う前に対象通貨の購入を行ったり、また嘘の情報を流したりして、いわゆる情報弱者をターゲティングとして利益を生み出そうとしています。

 

また、ボットによる自動売買を行ったり、仮装売買を試みたりする動きも近年では多く見られます。

 

もちろん、利益を追求するなかで法律違反というわけではなく、手段のひとつとして市場操作を受け入れるべきという意見もあります。

 

金融市場では、今まで何度もこの様に市場操作がある一定層の投資家によってインサイダー取引の様な事が行われてきました。

 

メジャーな仮想通貨取引所であるBittrexとCobinhoodなどでは、運営内部でその様なインサイダーが行われないよう警戒しているとしており、また米商品先物取引委員会(CFTC)ではインサイダー取引を行っている者を告発した場合、10万ドルの賞金を出すなど、厳戒な体制を取っています。

 

しかし、仮想通貨市場にはそもそもインサイダー取引の法律による縛りがないため、完璧に市場操作を禁ずることは難しいといえます。

 

誰しも市場操作側になる可能性があるという事実

仮想通貨の市場操作によって誰でも起訴される可能性があるのという事実。

ブロックチェーンを用いた新しい形のメディアとして知られているSteemitにて、ある投稿者がある特定のアルトコインの市場操作を行おうと投稿し、批判が殺到しました。

 

批判者の中には、法的手段を取るなどといった対応を迫るようなコメントを寄せている者もいます。

 

『あなたが市場操作を行ったまたは、行う可能性があることをすでにSEC、FBIやその他の国家機関に既に報告を行いました。あなたがSteemit上で発表したこと全てのスクリーンショットは手中にあるので、明日にでも当局に持ち込んでみようと思います。』

 

SEC、FBIの様な『3文字』で表現される国家機関は、もちろん仮想通貨市場にとって有益に規制をもたらす存在ではあるものの、投資家にとっては、いつそれらの機関に『犯罪者』として捉えられるかわからない危険もまた潜んでいます。

 

FBIにおいて代表を務めていたJames Comey氏は以前マーサスチュワート氏を株式におけるインサイダー取引を行ったとして起訴した経験を元に、いかに誰でも市場操作を行ったことで犯罪者となってしまうかについて警鐘を鳴らしています。

 

マーサスチュワート氏は保有していた株式、およそ$50,000をインサイダー情報を元に売却を行ったとし、起訴されました。インサイダー取引から利益を得たことやそれに関する嘘の証言があったという明らかな証拠があったからです。

 

しかしJames氏は、インサイダー取引により利益を得たと証明することはほとんどのケースいおいて不可能に近い、なぜならば、金融商品保有者がなぜ取引を行ったのか理由を明らかにすることが難しいからである、と述べています。

 

株式が下落する前に全て売却を行ったのが偶然にすぎない可能性があるからです。

市場操作に対する対処法

予測不能な市場の変化、また意図的な市場操作に対して巧妙な解決先を講じることは極めて難しくあります。

 

対処法があるとすれば、まず一つ目としては常にその様な市場操作を行う個人、または集団グループを批判しつづけることがあります。しかし、集団で市場操作を行っているような対象にただ『非難』をぶつけてもあまり意味があるとはいえないでしょう。

 

その他の方法として考えられるのは、市場の積極な動きのひとつとして、市場操作を受け入れる手段があります。

 

この考えは否定されることが多々ありますが、例えばスポーツの世界でも同じ考えを唱えている人がいます。

 

全てのアスリートがドーピングを行うことを許容したとき、その世界には全ての選手がドーピングを行った状態で対等に勝負をすることができ、ドーピングにおける『差』というものが生まれることはありません。

 

プライベートなグループで無価値なコインを売りつけることやインサイダー情報で利益を得るよりも、Twitterで特定のコインを宣伝するほうが道徳的だと誰が言えるでしょうか?

 

先に述べたインサイダー取引を行って逮捕されたマーサスチュワート氏は極めて短い刑期で2005年に出所後、その時には彼女の資産額は既に$200Mにも膨れ上がっていました。

 

皮肉にも、数か月または数年何も取引を行わないことが結果として大きな利益をもたらす可能性が、特に仮想通貨の市場にはあると言えるでしょう。

 

インサイダー取引やその他の市場操作に対する刑罰を用いても、その刑期中に利益を生みだしてしまうのだとしたら、その刑罰は何も意味をなしていないということが出来ます。

 

市場操作を行っている者、内部情報を用いてインサイダー取引を行うもの、これらは必ずどこの市場にも存在してしまう、逃れられないものであり、それが人間の特質であると見ることもできるでしょう。

 

Cryptocurrency Market Manipulation Is Rife – But Does Anyone Care?

 | Kai Sedgwick

考察:『投資家』による市場操作

仮想通貨への投資は、いわゆる新参者な投資家が伝統的な投資家より早く参入できたと言われることが多々あります。

 

株式などで幾多の利益を出してきたウォール街の投資家たちは、ビットコインの可能性に気が付いたのが比較的遅く、彼らがビットコインの投機対象としての可能性に気が付いたときにはすでにビットコインは高騰を始めていました。

 

しかし彼らも高値でビットコインを掴むことはせず、彼らが株式の世界において蓄積してきた『市場操作』の技術をビットコインにも挑み、一度市場を意図的に落ち着かせた可能性があると言われています。

 

この動きは大きく、ビットコインが200万円を超えてから100万円を切るまで急落したことは市場の成長スピードが早かったことによる、自然現象だったと言われています。

 

ですが、ウォールストリート投資家たちによる、自身が望む価格で、仮想通貨市場に参入するための市場操作だったという見解も有力視されています。

 

この様に、どの様な種類の『投資家』でも市場操作は自身が優位な立場になるために行うと見ることが出来、そしてその行為が違法ではないならば、一つの正しい戦略であるともいうことが出来るでしょう。

 

何にせよ、投資家による市場操作を全て気にしていると自身だけが市場において損をすることとなるので、市場操作を行う者たちの対応については法律に任せ、私たちは自身の信じる通貨を、自身の手でリサーチを行い、きちんと理解することが大事なのではないでしょうか。

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