ふるさと納税4つの問題点!解決策や寄付者にデメリットはあるのか

ふるさと納税が盛り上がりを見せています。

 

ただ実を言うと、ふるさと納税は構造的な問題をいくつか抱えているんです。

 

そこで今回は

 

・ふるさと納税の4つの問題点

 

・問題に対する解決策はあるのか

 

・寄付する側にデメリットはあるのか

 

以上の3つについて解説していきたいと思います。

 

そもそもふるさと納税とは?

ふるさと納税とは、応援したい自治体に寄付をすることができる制度のことです。

 

ふるさと納税は、その仕組みから自治体にも寄付者にもそれぞれ嬉しいメリットが。

 

 

まず、自治体に関しては、寄付金で財源を確保することができます。

 

ふるさと納税で歳入が増えることによって、地域振興にもつながります。

 

さらに、寄付金の使い道は指定されるので、無駄な出費の心配はありません。

 

また、寄付者に関しては、2つのメリットがあります。

 

1つ目は返礼品がもらえること。

 

寄付をすると、自治体からお礼として返礼品がもらえます。

 

返礼品の種類は豊富で、その中から自分が好きなものを選ぶことができます。

 

2つ目は税金が控除されること。

 

寄付をした分の額は、住民税や所得税から控除されます。

 

そのため、実質の負担額はたったの2,000円で済んでしまいます。

 

このように見てみると、ふるさと納税の制度に欠陥はないように思えますよね。

 

しかし、ふるさと納税は構造的な問題を抱えているのが現状。

 

そこで、次に4つの問題点について解説していきます。

 

ふるさと納税の問題点①:自治体の間で財政格差が広がる

1つ目の問題は、自治体の間での格差が生まれるということ。

 

ふるさと納税で寄付をすると、寄付者が住んでいる自治体の住民税や所得税からその分が控除されます。

 

これは、本来入るはずだった税収が、ふるさと納税によって他の自治体に流れてしまうことを意味します。

 

つまり、たくさん寄付された自治体は財政が潤う一方で、寄付が少ない自治体は、住民税の減収などによって財政を圧迫されてしまう可能性があるということです。

 

 

以下の表をみてください。

 

これは平成29年度における、ふるさと納税受入額トップ10の自治体です。

 

<参照>

ふるさと納税に関する現況調査結果 (平成29年度実績)

 

例えば、宮崎県の都農町は受入額が79億円にものぼります。

 

これは30年度予算における一般会計の歳入の約30%を占めるほど。

 

このことから、ふるさと納税でどれほど財政が潤うのかイメージがつかめたのではないでしょうか。

 

しかし、潤う自治体があれば、圧迫される自治体があるということ。

 

特に、都市部ではかなりの税収が流出しています。

 

 東京など都市部の税収が激減

儲かる自治体がある一方、苦労しているのが東京を含む都市部。

 

ふるさと納税に力を入れておらず、住民が他の地域に寄付をしているのが原因だと考えられます。

 

以下の表をみてください。

 

これは、ふるさと納税で税収が流出してしまった市町村区のランキングです。

 

<2018年度 ふるさと納税による流出額ランキング>

1位 神奈川県 横浜市 103億円
2位 愛知県 名古屋市 60億円
3位 大阪府 大阪市 55億円
4位 神奈川県 川崎市 42億円
5位 東京都 世田谷区 40億円
6位 兵庫県 神戸市 33億円
7位 東京都 港区 31億円
8位 京都府 京都市 30億円
9位 埼玉県 さいたま市 29億円
10位 福岡県 福岡市 29億円

<参照>

平成30年度ふるさと納税に関する現況調査(住民税控除額の実績等)

 

見てもらえればわかるように、都市部では数十億もの額が流出しています。

 

ただし、大きな減収を避けるために、ふるさと納税には税収が減った自治体に、減収分の75%を地方交付税で賄う仕組みがあリます。

 

しかし、地方交付税のない川崎市や世田谷区では減収の影響をもろに受けることになり、行政サービスに支障をきたす可能性も出てきます。

 

ふるさと納税の問題点②:返礼品の競争が加熱している

2つ目の問題は、返礼品の競争が激しくなりすぎているということ。

 

先程も述べたように、寄付をたくさん受けた自治体は得をし、寄付が少ない自治体は損をします。

 

そのため、各自治体は寄付を集めるために返礼品に力を入れるようになりました。

 

ただ、これがあまりに加熱しすぎて問題が起きています。

 

本来なら、返礼品として地方の特産品を用意するのが普通ですが、まったく地域にゆかりのない品を返礼品とする自治体が出てきているんです。

 

最近話題になったのが、静岡県の小川町がAmazonギフト券を返礼品としたこと。

 

明らかに地方の特産品とはかけ離れていることが分かるかと思います。

 

これに加えて、返礼品の還元率を高くすることで、寄付を集めようとする自治体もあります。

 

還元率とは、支払った寄付金に対する返礼品の価値の割合です。

 

例えば、10万円の寄付に対し、返礼品が4万円分の価値だとしたら、還元率は40%となります。

 

こうした返礼品競争にしびれを切らした総務省は、以下2つの対応を取ることにしました。

 

地方の特産品以外の取り扱いを規制

1つ目の対応は、返礼品に地方の特産品以外を取り扱うことを規制したことです。

 

本来ふるさと納税には、その地域特有の名産品を返礼品とすることで、地方PRに貢献するといった目的があります。

 

しかし、多くの自治体はこの趣旨を無視して利益のみを追求しています。

 

そこで、総務省はふるさと納税の趣旨に反する返礼品を規制することとしました。

 

総務省によると、規制の対象品目は

  1. 金銭類似性の高いもの
  2. 資産性の高いもの
  3. 価格が高額のもの
  4. 寄附額に対する返礼品の調達価格の割合の高いもの

以上の4品目は趣旨に反するとし、規制の対象となりました。

 

しかし、法的は規制はまだ進んでおらず、平成30年9月1日の時点で、190団体は見直しが済んでいないとのこと。

 

早急な法的な規制が、問題の解消につながるのではないかと思います。

 

 返礼品の還元率は30%以下に

2つ目の対応は、返礼品の還元率を30%以下としたことです。

 

総務省は、返礼品の還元率について

社会通念に照らし良識の範囲内のものとし、少なくとも、返礼品として3割を超える返礼割合のものを送付している地方団体においては、 速やかに3割以下とすること。

との見解を示しています。

 

以下のグラフは還元率3割超の返礼品を送付している団体数の推移を表したものです。

<参照>

 

着実に3割超の団体は減少していますが、平成30年9月1日時点で、246団体(全体の14%)がいまだに残っています。

 

返礼品の還元率についても、返礼品目と同様に法的な規制が進んでいないので、早急な法の整備が求められるでしょう。

 

ふるさと納税の問題点③:ふるさと納税には多くの経費がかかる

3つ目の問題は、ふるさと納税には多額な経費がかかるということ。

 

以下の表をみてください。

 

これは平成29年度における全団体合計のデータで、ふるさと納税に関連する諸費用の金額と、受け入れ額(寄付額)にしめる割合を示しています。

<参照>

ふるさと納税に関する現況調査結果 (平成29年度実績)

 

ふるさと納税にかかる経費の合計は、なんと約2,000億円にものぼります。

 

さらに、注目して欲しいのが受入額にしめる経費の割合。

 

合計の割合をみてみると、55.5%となっていることがわかります。

 

言い換えると、ふるさと納税で寄付された金額の44.5%しか自治体のふところに入っていないということになりますね。

 

このように見てみると、ふるさと納税の仕組みに無駄があるのではないかと疑問が残ります。

 

また、返礼品競争や返礼品の還元率の高さといった問題は、経費のさらなる増加を招く恐れもあります。

 

経費は地方の財源を考慮して決めるべきである

ふるさと納税で寄付を受けることは、地方の財源確保につながります。

 

ただ、とはいってふるさと納税にかかる経費を無駄に使うことは許されません。

 

なぜなら、経費の増加は他の地方サービスを圧迫する可能性があるからです。

 

あくまで地方の財源を考慮した上で経費を決めるべき、ということはどこの自治体も忘れてはいけません。

 

総務省も勧告として

返礼品競争の過熱などを通じて、各地方団体において、返礼品の調達費用を含めふるさと納税の募集、周知等の事務に要する経費が増えることは、財源に限りがある中で、住民 福祉の増進のために必要とされる施策に充てられる地方団体の財源が実質的に減少することに繋がることとなる。

という見解を示しています。

 

ふるさと納税の問題点④:所得が多い人ほど得をする

ふるさと納税の問題点44つ目の問題は、所得が多い人ほど得をするということ。

 

なぜかというと、ふるさと納税をすることができる額は、高所得者ほど大きくなるからです。

 

例として、独身で年収300万円のAさんと、独身で年1,000万円のBさんの場合を考えてみましょう。

 

総務省が出している試算を用いると、Aさんの寄付可能額は28,000円、Bさんの寄付可能額は176,000円となります。

 

寄付した額は減税という形で還元されるので、単純にAさんは28,000円、Bさんは176,000円の減税を受けることができます。

 

さらに、寄付した額に応じて返礼品がもらえるので、大きい額の寄付ほどもらえる返礼品も豪華になります。

 

つまり、所得が多くなるほど

 

・減税額の大きさ

 

・返礼品の豪華さ

 

という2点において得をするわけですね。

 

ふるさと納税には「逆進性」がある

現在、日本における所得税や相続税などでは「累進課税制度」が採られています。

 

累進課税とは、所得の大きいものほど税率が引き上げられる、といった制度。

 

これによって、裕福な人から貧しい人へと富の再分配が行われます。

 

しかし、ふるさと納税はこれとはまったく逆の性質をもつ制度です。

 

先ほどのAさんとBさんの例をもう1度考えてみましょう。

 

「寄付可能額(税額控除額) / 所得」を計算すると

 

Aさんの年収に対する税額控除の割合は約0.93%、Bさんは約1.76%となります。

 

つまり、所得に対する減税率は、所得が大きくなるほど高くなってしまうんです。

 

これは明らかに「逆進的である」と言えるでしょう。

まとめ:ふるさと納税をして損をすることはない

ここまでの内容をまとめます。

 

ふるさと納税は次の4つの問題があります。

 

・自治体の間で財政格差が広がる

 

・返礼品の競争が加熱している

 

・ふるさと納税には多くの経費がかかる

 

・所得が多い人ほど得をする

 

しかし、何か気がつくことはありませんか?

 

実は寄付する側にデメリットはほとんどないんですよね。

 

紹介した4つの問題点は、あくまでふるさと納税の構造に関するものであり、わたしたち寄付者が気にする必要はほとんどありません。

 

(自分の住んでいる自治体の税収が減ったら、間接的に困る可能性はありますが)

 

そうと分かってしまえば、ふるさと納税をしない手はありません。

 

ふるさと納税はお得な制度なので、4つの問題点も考慮した上で活用するようにしましょう。

 

はじめてのかたにも解りやすく、品ぞろえが豊富なふるさと納税サイトはこちらです。

 

さとふる公式サイトはこちら

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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