
カイバーネットワークってかっこいい響きだね。
ところで、カイバーネットワークって何ですか?
仮想通貨を取引していると必ずお世話になる「取引所」ですよね。
仮想通貨の時代に合わせて「分散型取引所」の開発が世界中で進められています。
今日は、そんな分散型取引所の開発プロジェクトの中でも大注目のKyber Nework(カイバーネットワーク│KNC)について解説します。
イーサリアムの生みの親であるVitalik Buterin(ヴィタリク・ブテリン)氏もアドバイザーとして携わるKyber Networkとはどんなものなのでしょうか。
まずは、カイバーネットワークについて、わかりやすく30秒で解説した動画を用意したのでこちらをご覧ください。この動画を見てから内容を読んで頂くと理解しやすいですよ。
ではカイバーネットワークの解説をご覧ください。
本記事の内容
Kyber Nework(カイバーネットワーク)とは何か?初心者でも簡単にわかる概要
Kyber Networkとは、次世代の「分散型取引所」の名前で、この取引所を利用する時に手数料として支払われるトークンが「KNC」です。
Kyber Network(カイバ―ネットワーク|KNC)の入門まとめ│マネピWiki
Kyber Neworkの特徴や仕組みについて説明する前に、まずは簡単にKyber Neworkの概要をまとめました。
通貨の名前 | Kyber Network(カイバーネットワーク) |
通貨単位 | KNC |
発行上限枚数 | 226,000,000 KNC |
取扱国内取引所 | なし |
取扱国外取引所 | Huobi, Binamce, Liqui, OKEx など |
開発者 | Loi Luu 他 |
公式サイト | https://home.kyber.network/ |
ホワイトペーパー | https://home.kyber.network/assets/KyberNetworkWhitepaper.pdf |
カイバーネットワーク|KNCの特徴とは?仕組みや技術について解説
ここからは、Kyber Networkの特徴について、その仕組みや技術を見ながら解説していきます。
Kyber Network(カイバーネットワーク)は「分散型取引所」の注目プロジェクト
Kyber Networkは、仮想通貨の分散型取引所を開発するプロジェクトです。
他にも分散型取引所の開発を進めるプロジェクトは存在しますが、Kyber Networkには他とは異なる独自の仕組みが導入されており、注目のプロジェクトなのです。
カイバ―ネットワークがPoloniexやBittrexに代表されるような既存の中央集権型取引所とどう異なるのか、現状の問題点をどのように解決しようとしているのか、比較しながら解説していきます。
中央集権型取引所とは?その問題点
私たちが普段の仮想通貨取引に使っている取引所の多くは、「中央集権型取引所」といわれるものです。
「中央集権型取引所」とは、特定の管理会社が、仮想通貨を取引したい人同士の仲介役となり、各ユーザーの取引を管理する方式です。
日本では、bitFlyer、Zaif、DMM Bitcoinなどがこの種類に分類できます。
中央集権型取引所は、信頼のおける管理会社が運営してくれればよいのですが、そうでない場合のリスクが大きいのがデメリット。
代表的なリスクとしては、ハッキング等による資産盗難があります。
ユーザーの資産を管理会社に管理してもらう形でサービスが運用されているためです。
最近では、CoinCheckのNEM流出事件が記憶に新しいですね。
そもそも、仮想通貨が目指しているのは、
ユーザーが監視者にもなって全体で運用する「非中央集権」
と、
取引相手を信頼しなくても確実に価値などの移転ができる「トラストレス」
です。
したがって、中央集権型の取引所は、本来であれば望ましくありません。
次世代の取引所「分散型取引所(DEX)」のメリットを解説
中央集権型取引所のデメリットを解決すべく登場するのが、「分散型取引所」(Decentralized Exchange、DEX)です。
「分散型取引所」とは、個人対個人(P2P)で直接取引をすることができる取引所で、取引を管理する管理会社がいません。
管理会社の代わりに、取引の記録はブロックチェーンで管理されます。
ユーザーは、自分の資産を自分で管理することになり、誰かに預ける必要はなくなります。
これにより、ハッキングによる資産盗難のリスクはほぼ無くなります。
KyberNetworkのような分散型取引所のメリットをまとめると次のようになります。
●中央集権的な取引所に資産を預けることがなく、ハッキングなどの詐欺の被害を受けない
●個人情報を明かすことなく匿名のまま取引ができる
Kyber Networkはオンチェーンでの取引を提供
カイバ―ネットワークでは、オーダー処理と取引はオンチェーンで行われます。
そして、”オーダーブック” の代わりに ”Reserve(準備金)”という仕組みが採用され、通貨の流動性を保つために十分な量の通貨が在庫として保管されます。
テイカーと呼ばれる購入者は、交換ペアと入手したいトークンの数量を入力します。すると、Reserve(準備金)の中で最も有利なレートが表示されます。
そのレートでよければテイカーが取引を実行します。
Kyber Network(カイバーネットワーク)の便利な機能
では、Kyber Networkが作る分散型取引所には、ユーザーにとってどのように便利な機能が備わるのか説明してまいります。
異なるトークンや通貨ペアでの「即時取引」が可能
分散型取引所の運用が成功すれば、Kyber Networkを使って異なる通貨ペアの取引を遅延なしで実現することができます。
各ユーザーが自分の財布を持ち寄って、
「交換しましょ」
という流れで取引が成立するイメージです。
中央集権型のように、BTCやETH、USDTを基軸として取引をする必要がありません。
取引の記録は全てKyber Networkの運用するブロックチェーンに記録されます。
決済APIによって異なるトークンや通貨間の「即時決済」が可能
さらに、Kyber Networkを利用した即時決済も実現可能です。
主に、お店やネットショップで仮想通貨による決済をする際、客が利用する通貨の種類にかかわらず、お店側が好きな通貨で受け取ることができます。
これを実現するために、Kyber Networkでは、お店が決済システムを簡単に導入できる決済APIを提供しています。
当初はEthereumやERC20トークンのなかでの決済APIですが、将来的には異なるブロックチェーン間の決済(クロスチェーン)の実現を目指しています。
例えば、BCH(ビットコインキャッシュ)での支払いのみ受け付けているお店で買い物をしようとした客が、BTC(ビットコイン)しか持っていない場合を考えてみましょう。
現状では、ビットコインを取引所等でビットコインキャッシュに交換(両替)してからでないと、お店から品物を買うことはできません。
ですが、Kyber Networkの決済APIを用いたシステムをお店が導入すれば、客は両替の手間なしにビットコインで支払いをすることができ、お店はKyber Network経由で交換されたビットコインキャッシュを受け取ることができるのです。
しかも、見た目上は客から直接ビットコインキャッシュでお店に支払いがあったように記録され、Kyber Networkが中間に入っていることを意識させない作りになっています。
超重要!異なる通貨ペア間の決済はDApps運用のキモ
今後ブロックチェーンプロトコル上で様々なサービスのDApps(分散型アプリケーション)が開発されることでしょう。
各DAppsでそれぞれ異なるトークンが使用されることになった場合、そのトークンを持っていないとユーザーはサービスを利用することができないということになります。これはユーザーにとっては不便極まりない状況です。
そのような不便を解決するのが、カイバ―ネットワークの提供する、”異なる通貨ペア間の決済”という機能ではないかと思います。
シームレスな決済が実現することで、ユーザーはKybernetworkの存在を意識せずにDAppsを利用することになると期待されるのです。
KyberNetwork運営の仕組み|ネットワーク参加者による役割分担
では、KyberNetworkはどのような仕組みで動いているのでしょうか。
Whitepaperの内容をもとに仕組みを図解してみました。
分散型なので、中央で管理する権力を持つ立場のひとはいません。参加者が役割をもってネットワークを運営していくことになります。
「メイカー」と「テイカー」について理解しよう
まずは、メイカーとテイカーという役割について理解する必要があります。
メイカーとは、「1BTC=10ETHで交換しますよ」と取引所にオーダーを出す人のことです。
テイカーとは、メイカーの出したオーダーを見て、
「そのレートで3BTC分をETHと交換してください」
とメイカーに取引をお願いする人のことです。
取引所は、メイカーがいなければ成り立ちません。
メイカーがいないと、交換できる通貨が無いからですね。
これは中央集権型でも分散型でも一緒です。
取引所の運用には、メイカーをたくさん集めて、流動性を確保することが欠かせない要素なので、まずはネットワーク参加者を増やす必要があるということです。
メイカーを確保するためのインセンティブ設計が重要
メイカーは、取引所に自分の持っている通貨を出すことで利益を得られるかどうかで動きます。
したがって、メイカーが「この取引所に自分の持ってる通貨を出したいな」と思わせるインセンティブ設計が肝となります。
KyberNetworkでは、メイカーが自分で自由に交換レートを決定できるようにしています。
メイカーが自分で得たい利益(スプレッド)を設定することができるわけです。
そうすると、KyberNetworkに参加するメイカーが全員、例えば「1BTC=1BCH」なんて高レートを設定してしまい、機能しなくなってしまいそうですよね(実際にはもっと現実的な値になりますが)。
ですが、取引が成立しないのでは?という心配はいりません。
テイカーとメイカーの需給が一致したレートで取引が実行される
Kyber Networkは、テイカーに一番有利なレートを設定しているメイカーのオーダーから処理される仕組みにしています。
メイカーは、自分のオーダーが処理されないことには利益を得ることができないので、自分の利益が出る範囲で、なるべく低いレートに設定するようになります。
結果的には、全体が適切なレートに落ち着くようになるわけです。
メイカーを3つの役に分けて運用
さらに、KyberNetworkは、メイカーの役割を3つの役に分担させ、テイカーに不利なレートが設定されないようにする仕組みを整えています。
ざっくり説明すると、
①KyberNetworkへの在庫(Reserve)提供
②提供された在庫の管理
③レート設定
これら3つの役割を、それぞれ別の人に担当させるようにしています。
役割を分担させることによって、より確実に取引が実行されるように働きかけ、適切なレートに設定させようとしているわけです。
ネットワーク全体の管理も分散させる
そして、Kyber Network全体の管理をするKyberNetwork Operatorについても、現在はKyberNetworkの開発チームが担っていますが、将来的には管理機能を完全に分散させ、理想的なDEXを実現させる予定のようです。
ちなみに、このOperatorは、ネットワークに参加するメイカーを承認して通貨ペアのリストを更新したり、逆にネットワークを乱すメイカー(一方的なレート設定をする人など)を弾いたりすることができます。
「KNC」トークンの役割とは?
さて、ここまではKyberNetworkの機能や仕組みについて見てきましたが、肝心の「KNC」トークンについては触れていませんね。
「KNC」は、「Kyber Network Crystal」の略で、Kyber Networkを利用する際に手数料として支払われる、Kyber Network上のERC20トークンになります。
現在は合計で226,000,000KNC発行され、そのうち134,000,000KNC(61.06%)が流通しており、残りはKyberNetworkの開発チームやパートナーが保有しています。
Kyber Networkを利用するためには、このKNCを手数料として支払う必要があります。
実際の手数料はそのときの需給バランス等によって決定されるようで、具体的な数値は公表されていません。
ただ、なるべく低廉な料金におさえて、誰でも気軽に利用できるようにするようです。
支払われたKNCは、一部がKyberNetworkの運用を支援するパートナーや企業に支払われ、残りはburn(焼却)されます。
KNCがburnされることで、長期的にはKNCの希少価値が高くなり、KyberNetwork全体の需給バランスが保たれます。
投機目線で考えると、通貨がburnされ希少価値が上がれば、それだけ値上げも期待できますので、注目しておきたいところです。
Kyber Network(カイバ―ネットワーク)の仕組みや特徴を動画で理解しよう!
Kyber Networkの公式動画をご紹介します。
英語ですが、イラストをつかって仕組みをわかりやすく説明しています。
これまでの説明を思い出しながら観ていただけると理解が深まるかと思います。
Kyber Network(KNC)の現在の相場チャートと時価総額は?
ここで、Kyber Network(KNC)の現在の相場チャートや、時価総額について紹介していきます。
リアルタイムで見るKyber Network(KNC)の現在のドルレートと価格推移
リアルタイムで見たドルレートのKyber Network(KNC)のチャートは下記のとおりです。
Kyber Network(KNC)の現在の時価総額ランキングは何位?
現在の時価総額ランキングです。
左側の「rank」に出ている数字が今現在の時価総額の順位になります。
KyberNetworkの最新ニュースからわかる将来性!今後の動向は?
では、KyberNetworkの最新ニュースについて見ていきましょう。
ニュースを知ることで、今後の将来性や動向が分かることができます。
ここ最近のカイバーネットワークのニュースを見ていきましょう。
Mainnetがリリース!
2018年2月11日、Kyber Networkのメインネットがリリースされました。
今まではテストネット上での試験運用がされていましたが、メインネットがリリースされたことでKyberNetworkを誰でも利用することができるようになります。
最初は10種類(Aelf (AELF)、Basic Attention Token (BAT)、Decentraland (MANA)、EOS (EOS)、Gifto (GTO)、Kyber Network (KNC)、OmiseGo (OMG)、Power Ledger (POWR)、Request Network (REQ)、Status Network (SNT))からスタートして、徐々に取扱通貨を増やしていく予定とのことです。
https://blog.kyber.network/kyber-network-mainnet-pilot-is-now-live-a90366e2a0ef
現状では、アカウント登録を申請してWhitelistに載った人しか使えませんが、正式版のリリースに向け開発が進められています。
ロードマップを確認しておこう
Kyber Networkの開発チームは、今年度の開発ロードマップを公開しています。上記のメインネットのリリースもロードマップに沿ったものです。
そこで、ロードマップも確認しておきましょう。
2018 Q1: メインネットをリリース
これはすでに完了していますね。
現在はWhitelist限定で利用可能となっていますが、近いうちに誰でも利用可能になります。
2018 Q2: 任意のトークンペアでの交換をサポート
現在は10種類のトークンを扱っていますが、これを増やし、ユーザーの好きなトークンペアで取引できるようにします。
そのためには、Kyber Networkに様々なトークンを出してくれるメイカーをたくさん確保しなければなりません。
ここは、技術力や開発力というより、パートナーや協力企業を集める政治力が試されます。
2018 Q4: 高度な金融商品取引をサポート
ここでいう金融商品取引とは、分散型ヘッジファンドのことのようです。
任意のトークンペアでの即時取引が可能ということは、時期に合わせて値上がり率の高い通貨に交換・保有することが簡単になるので、これをパッケージ化して金融商品として取引できるようにするものと見られます。
End 2018/Early 2019: クロスチェーン取引をサポート
来年の早い段階で、クロスチェーン取引をサポートします。
クロスチェーン取引とは、異なるブロックチェーン間での取引のことです。
前段階に記載されている「任意トークンペアのサポート」は、あくまでETHおよびERC20準拠のトークンの話。
これとは異なり、BTCやXRPなど、全く違うブロックチェーンで動いている仮想通貨についても、取引が可能になるのがクロスチェーン取引です。
クロスチェーン技術はいくつものプロジェクトが開発競争をしていますが、まだ実用段階には至っていません。
Kyber Networkの開発チームが開発するか、クロスチェーン技術を持っているパートナーを見つけることが鍵となります。
Kyber Networkの利用で5KNCもらえるキャンペーンを実施
宣伝&利用客拡大のため、Kyber Networkを利用すると合計で5KNCもらえるキャンペーンを実施しました。
Kyber Networkでの初回取引と本人確認で、合計5KNCがもらえます。
https://blog.kyber.network/kyber-network-announcements-monday-feb-26th-75c28e264fb6
取引額に応じて更にKNCのプレゼントを受けられるキャンペーンも3月15日まで行われていました。
ネットワークユーザーを増やして取引を活発化させるため、今後も報酬プログラムや紹介プログラムを行う予定だそうです。
公式ブログやTwitterをこまめにチェックしてチャンスを逃さないようにしましょう!
最新の動向はTwitterをチェック!
Kyber Network公式サイトにもあがっていない最新ニュースは、TwitterやMediumが参考になります。
Tweets by KyberNetwork
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公式Medium: https://blog.kyber.network/
Kyber Network(KNC)の購入方法は?オススメの取引所をご紹介
KNCの取り扱いがある海外取引所は、Huobi、Binance、Liuqiなどです。
KNCは、国内取引所での取り扱いがありません。
そのため、KNCを購入する場合には、次の3つのステップを踏みます。
①国内取引所でBTCやETHを購入
②KNCを取り扱う海外取引所に送金
③KNCとトレード
海外の取引所の中では取引量が多く、手数料も安いBinanceがおすすめです。
ETHやBTCを入手する国内の取引所の口座をお持ちでない場合は、金融庁登録の仮想通貨交換業者、ビットコイン取引量NO.1のBitFlyerをおすすめします。
Kyber Network(KNC)の仕組みから買い方までのまとめ
Kyber Networkは、次世代の取引所である分散型取引所(DEX)を開発するプロジェクトです。
Bancorや0xなどDEXの競合はありますが、確実な開発によって利用者を増やしていくことが期待されます。
Kyber Networkは取引だけでなく決済市場への参入も視野に入れており、これからの動きが楽しみですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
bitbank(ビットバンク)
取扱通貨 | ビットコイン
イーサリアム ビットコインキャッシュ ライトコイン モナ リップル |
取引手数料 | 無料 |
セキュリティの高さ | ・二段階認証有り
・コールドウォレット対応 ・マルチシグ対応 |
使いやすさ | 初心者でも簡単(アプリ無し) |
通貨の購入方法 | 取引所のみ(ビットコイン以外も安く購入できる) |
取引所の出来高 | 取引高が高く安定して取引できる |
GMOコイン
取扱通貨 | ビットコイン
イーサリアム ビットコインキャッシュ ライトコイン リップル イーサクラシック |
取引手数料 | 無料 |
セキュリティの高さ | ・二段階認証有り
・コールドウォレット対応 ・マルチシグ対応 |
使いやすさ | ウェブもアプリも使いやすい |
通貨の購入方法 | 販売所のみ |
取引所の出来高 | 取引高が高く安定して取引できる |
BITPoint(ビットポイント)
取扱通貨 | ビットコイン
イーサリアム ライトコイン ビットコインキャッシュ リップル |
取引手数料 | 無料 |
セキュリティの高さ | ・アイ・エス・レーティングによる情報セキュリティ格付け『A』
・コールドウォレットとホットウォレットの利点を組み合わせた自社開発ウォレットで管理 ・マルチシグ対応 |
使いやすさ | ・取引ツールが使いやすい!MT4を導入
・提携銀行が多い |
通貨の購入方法 | 取引所のみ |
取引所の出来高 | 取引高が少な目 |