
この記事では、ライトニングネットワークに関する全体像を説明していこうと思います。
記事内では、
そもそもライトニングネットワークとはどの様なものなのか
どの様なシステムを元に動いているのか
なぜ仮想通貨にとってライトニングネットワークが重要だと言われているのか
そしてビットコインを始めとする仮想通貨にとってどのように関わってくるのかに関して深く見ていこうと思います。
本記事の内容
ライトニングネットワークとは何か
Olaoluwa Osuntokun氏(@roasbeef)と共にライトニングネットワークを開発しているコミュニティーLightning Labsを創設したElizabeth Stark氏(@starkness)はライトニングネットワークとは何か、関係つに以下の様に答えています。
ライトニングネットワークはブロックチェーンをスケーリングさせ、更に処理スピードを早めるプロトコルの名称です。
ライトニングネットワークは、ビットコインのブロックチェーンが抱えるテクニカルな限界を解決するために開発されたものですが、ビットコイン以外のどのブロックチェーンにも導入できる可能性が大いに期待できます。
ビットコインのスケーリングにおける現在最大の問題とされているのが、ビットコインネットワークが毎秒に受け付けることが出来るトランザクションの数が最大で7つであることにあります。
ビットコインが毎秒7つのトランザクションしか受け付けないのに比べ、クレジットカード会社であるVisaは技術的には毎秒50000個のトランザクションを受け付けられることができ、通常2000個のトランザクションを行っています。
もちろん現状ビットコインのスケーリングはそこまで問題となっているわけではないのですが、将来的にビットコインが世界的通貨を目指す場合大きな問題となってきます。
ライトニングネットワークはその様な問題に立ち向かうべく、開発が進められています。
ライトニングネットワークを用いることにより、毎秒何百万ものトランザクションを手数料を下げた上で行えるようになります。
ライトニングネットワークの仕組み
Elizabeth Stark氏は以下の様にライトニングネットワークの仕組みに関して述べています。
ライトニングネットワークはペイメントチャンネル(Payment Channel)というテクノロジーがその根幹に使われています。
このペイメントチャンネルは取引を行う2者間においてマルチシグニチャートランザクションがブロックチェーン上に作成されることにより、作られる仕組みを取っています。
その二者間において一人一人が、プライベートキー(秘密鍵)を持っており(ランダムな数文字列)二者がプライベートキーを示したときに限り、そのトランザクションが遂行されるシステムとなっています。
この2者間における最初の取引はブロックチェーン上(オンチェーン)で行われるため、10分ほど時間を要しますが(その時点でのブロックチェーンのスケールレベルによる)その後はライトニングネットワーク上に存在するペイメントチャンネルを用いることにより、即取引を行うことができます。
この取引はプライベートキーとマルチシグニチャーを持っていれば何回でも行うことが出来ます。
この様にライトニングネットワークとブロックチェーンの関連性に関して同氏は説明しています。
現在のライトニングネットワークはビットコインを中心に開発が勧められていますが、開発が進めば全ての仮想通貨におけるブロックチェーンに対応可能であるとのことです。
Elizabeth氏はさらにスマートコントラクトとの関連性を説明し、どの様にライトニングネットワークの仕組みが構築されているのかに関して説明を行っています。
ライトニングネットワークのペイメントチャンネルは『スマートコントラクト』の機能を付随させることにより、第三者となるカウンターパーティーに頼ることなく全てのトランザクションを進めることができます。
例えば、アリスがボブと一緒にペイメントチャンネルを作成し、ボブがカロルと既にペイメントチャンネルを開設してあり、またカロルがすでにデイブとペイメントチャンネルを開設していた場合、アリスはボブとカロルを介することにより最終的にデイブに送金を送ることができます。
上記でも述べているように、ライトニングネットワークはマルチシグニチャーとスマートコントラクトの機能を取り入れているため、アリスはボブとカロルを信頼する必要性が無く、上記の機能を取り入れたプロトコルはデイブに送金されるか、または送金が却下されアリスに戻るいずれかの選択を取ることとなります。
このライトニングネットワークの仕組みにより、将来的にはビットコインにおけるスケーラビリティ問題を解決することが出来るといわれています。
ライトニングネットワークに対するノードの参加者が増えれば増えるほど、ネットワークの繋がりが長くなるため、更にトランザクションスピードが向上し、逆に取引手数料は下がることになります。
なぜライトニングネットワークが重要なのか
ビットコインにおけるスケーリング問題に関する議論が年々高まっていく中で、最大の論点がいかにして毎秒ごとのビットコインネットワークが処理できるトランザクション数を向上させるかという所にありました。
幾度となく上記の議論が交わされ、結果として数多くのビットコインのハードフォークが行われ、毎秒行うことができるトランザクション数の改善が行われています。
そのハードフォークの動きと同時に開発が進められていたライトニングネットワークは、ビットコインのプロトコル自体を変更させずにビットコインのスケーリングを向上させることができます。
仮にライトニングネットワークの開発が完了し、その実装がビットコインにされれば今まで行われてきたビットコインに関する議論の全てが覆り、ビットコインのユースケースがますます増えるきっかけとなることは明らかです。
ライトニングネットワークのあらゆる仮想通貨に対する実装
Coindeskが報じた内容によると、ベータ版のライトニングネットワークはビットコインメインネットにて3月15日に限定的に実装されました。
Coindeskによると以下の様にライトニングネットワークの現状について述べられています。
Stark氏を始めとするライトニングネットワークの開発チームは、現在一つのペイメントチャンネルにおける支払い額の上限を$1400または一つの支払い上限を$400に設定するなど、安全面を考慮してライトニングネットワークの実践的な運営を開始しています。
現段階におけるライトニングネットワークのターゲット層は、開発者並びにフルノードユーザーまたライトニングネットワークのコマンドラインインターフェースを利用できるユーザー層を見ています。
現段階で、ライトニングネットワークがビットコインネットワークにとってスケーリング問題を解決させる有効手段となるか判断することはまだ早すぎるといえます。
仮にライトニングネットワークの開発が成功を納め、ビットコインネットワークに採用された場合、ビットコインエコシステムの根幹をなすともいえるビットコインマイナー達にとってどのような影響を与えるかは大いに注目です。(ライトニングネットワークはビットコインにおける経済システムを根幹から変える可能性があります。)
加えて、ライトニングネットワークが導入されると、ビットコインの本来の使い方が見直される可能性が大いに高まります。
現在では考えられない、ビットコインのマイクロペイメント(少額決済)としての利用、世界的決済通貨としての利用、そして『価値の保存』以外でのビットコインの利用が、ライトニングネットワークがもたらす、素早く、ほとんどゼロコストな新しい立ち位置の『ビットコイン』が誕生することになるでしょう。
An Overview of Lightning Network
Phil Glazer 2018/3/18
考察:ブロックチェーンとライトニングネットワークの相性の良さ
ライトニングネットワークの実装実験が進む中で、先日(3月21日)には仮想通貨ステラ(Stellar)が今年度末までにライトニングネットワークを導入するとの発表を行いました。
Stellar社は公式サイトにて(https://www.stellar.org/blog/lightning-on-stellar-roadmap/)以下の様な発表を行い、ライトニングネットワークとStellar社のブロックチェーンの互換性に対して言及しました。
Stellarに対するステートチャンネルの実装可能か否かは、Stellarにおける一つ一つのトランザクションが指し示すソースアカウントとその順番を見分けられるかに依存しています。
私たちは、どの様にそれらを判別するかの手段を解明し、それによりオフチェーン(ライトニングネットワーク)におけるトランザクション処理が可能となりました。
これは、銀行における残高照会に似ていると考えることが出来ます。
この様にStellar社は同社の声明を出し、Stellarが持つブロックチェーンとライトニングネットワークとの相性の良さを強調しています。
Stellarが今回は他の仮想通貨を一歩リードして、ライトニングネットワークに関わりを持つ発表を行いましたが、水面下では様々な通貨の間でライトニングネットワークの実装会議が進んでいることは明らかです。
仮想通貨元年から1年がたち、私たちの仮想通貨に対する知識が蓄積してく中で、その中で一歩先に出ようと思うのであれば、ライトニングネットワークに関する知識を蓄え、ライトニングネットワークと特定の通貨の相性に関して調査を進めていくことにより、投機の面でも利益が出せる可能性が高くなるのではないでしょうか。
2018年の仮想通貨界におけるキーワードは『ライトニングネットワーク』になる可能性は高いといえるでしょう。
ステラーについて詳しく知りたい方はコチラをご覧になってみてくださいね。
bitbank(ビットバンク)
取扱通貨 | ビットコイン
イーサリアム ビットコインキャッシュ ライトコイン モナ リップル |
取引手数料 | 無料 |
セキュリティの高さ | ・二段階認証有り
・コールドウォレット対応 ・マルチシグ対応 |
使いやすさ | 初心者でも簡単(アプリ無し) |
通貨の購入方法 | 取引所のみ(ビットコイン以外も安く購入できる) |
取引所の出来高 | 取引高が高く安定して取引できる |
GMOコイン
取扱通貨 | ビットコイン
イーサリアム ビットコインキャッシュ ライトコイン リップル イーサクラシック |
取引手数料 | 無料 |
セキュリティの高さ | ・二段階認証有り
・コールドウォレット対応 ・マルチシグ対応 |
使いやすさ | ウェブもアプリも使いやすい |
通貨の購入方法 | 販売所のみ |
取引所の出来高 | 取引高が高く安定して取引できる |
BITPoint(ビットポイント)
取扱通貨 | ビットコイン
イーサリアム ライトコイン ビットコインキャッシュ リップル |
取引手数料 | 無料 |
セキュリティの高さ | ・アイ・エス・レーティングによる情報セキュリティ格付け『A』
・コールドウォレットとホットウォレットの利点を組み合わせた自社開発ウォレットで管理 ・マルチシグ対応 |
使いやすさ | ・取引ツールが使いやすい!MT4を導入
・提携銀行が多い |
通貨の購入方法 | 取引所のみ |
取引所の出来高 | 取引高が少な目 |