
スマートコントラクトという技術をご存知ですか?
これは仮想通貨のブロックチェーンに通貨の取引履歴だけでなく商品、契約も記録できる画期的なシステムです。
簡単に結論を初めに言ってしまうと、スマートコントラクトには3つの特徴があります。
- 1.100%取引が保障される
- 2.ブロックチェーンを使い、仲介機関を持たない
- 3.取引履歴をいつでも参照できる
です。
これら3つの特徴で、私たちの身の回りのことが今後大きく変わるかもしれません。
今回は、スマートコントラクトを使った事例や利用できる通貨、仕組みまで詳しく解説します。
本記事の内容
スマートコントラクトってどんな仕組み?
Smart(賢い、スマートな) Contract(契約)という意味のまま、今までより早く安全かつ簡単に契約を結ぶことができる仕組みです。
自動で取引してくれるので売る側も買う側も双方にメリットがあります。
今までは信用のおける銀行やネットサービスなどを介して行っていたオンラインの取引が直接行えるようになるのです。
ブロックチェーンを用いた安全な契約の仕組
スマートコントラクトはしばしば「自動販売機」に例えられます。
自動販売機はお金を入れてボタンを押すだけで飲み物が手に入ります。
スマートコントラクトを支える「ブロックチェーン」の仕組みは?
それぞれのブロックはその前のブロックの暗号全てを含めた履歴を暗号化しているので、それまでのブロックとしっかりと噛み合っており、変更することは大変です。
このブロックチェーンの暗号を作るために膨大な計算が必要です。
この計算を終わらせ、答えを出してブロック1つを作ることを「マイニング」とよびます。
仮にブロックチェーンの一つをいじって改ざんできたとしても、このマイニングをしているパソコン全てに改ざん前のブロックチェーンがあります。
ブロックをマイニングしている何万ものパソコンの少なくとも半分以上のチェーンを変更しない限り、取引履歴の改ざんはできません。
取引履歴を暗号にして、各々のパソコンに入れておくことで、お金の履歴を絶対にいじったりできないようにしているのですね。
ブロックチェーンで行われる取引はどうやって守られるの?
ブロックチェーンを使って取引する人はそれぞれ「秘密鍵」と「公開鍵」というものを持っています。
「秘密鍵」は利用者だけが知っている鍵です。これを第三者に教えてしまうと送られてきたデータを他人に使われてしまう危険性があります。
「公開鍵」はオンライン上に公開される鍵です。これは「秘密鍵」から作られますが、公開鍵から秘密鍵を特定することは不可能です。
これら2種類の鍵を使って取引が行われます。
ブロックチェーン上で行われる取引には大きく3つのステップがあります。
1.送信者が送り先の公開鍵を使って、送るデータにカギをかける
まずは送信者が送り相手の公開鍵を確認し、それを使って送りたいデータにカギをかけます。
この時かけた鍵は公開鍵と対になる秘密鍵、この場合は送る相手の鍵でしか開けることができません。
2.送りたい相手にカギをかけたデータを送信する
この時送られるデータの取引がブロックチェーン上に記録されます。
ブロックチェーンは皆がみられるので、送られるデータも見られてしまうと思うかもしれませんが、公開鍵で鍵がかかっているので第三者が開けて中を見ることはできません。
3.送られた相手は自分の秘密鍵を使ってデータを開ける
送られた相手は自分の秘密鍵を使って受け取ったデータを開けて中を確認することができます。
スマートコントラクトで何が変わるの?
契約や支払いを仲介する機関が必要なくなる!
一番大きな変化は、送金を仲介する第三者の機関が必要なくなることです。
今までオンラインで取引するためには売り手と買い手の間に取引を仲介する部分が必要でした。
例えばオンラインで商品を買うときにクレジットカード決済した場合はカード会社が仲介しています。
商品を買う側は売る側ではなくこういった仲介機関にお金を払い、その第三者機関が売る側にそのお金を送ります。
スマートコントラクトによってお金とモノを自動的に交換できるようになることで、この第三者機関が必要なくなります。
これだけでも売り手と買い手双方に大きな変化をもたらすでしょう。
透明性の高い取引ができる!
支払いを仲介する機関がなくなる上にブロックチェーンは先述した通り無数のマイニングをする人たちが履歴を管理するシステムです。
取引履歴を改ざんすることは不可能!安全な取引ができる
通常、オンラインでの取引は様々なリスクがつきものです。
例えば
といった不安やトラブルがつきものです。
スマートコントラクトならば、第三者機関を介さず、支払いも一瞬、商品もプログラムに基づいて自動で送られるので、安全な取引を行うことができます。
スマートコントラクトを使ったサービス・事例は?
スマートコントラクトの活用例1:CryptoKitties
CryptoKittiesは、スマートコントラクトを利用した課金システムを持っているゲームです。
CryptoKittiesというキャラクターを収集したり、育てたり、交換したりできるゲームで、マーケットプレイスでアイテムやキャラクターの売買も可能です。
スマートコントラクトの活用例2:Mijin
Mijinはブロックチェーンを用いた文書やデータの管理を行うことができるサービスです。
ブロックチェーンにより、巨大なサーバーに頼らずとも文書や権限の管理を行うことができます。
スマートコントラクトに対応し、複雑な会計処理を行う事ができるようになるようです。
スマートコントラクトの技術が「革命的」な理由とは?
ブロックチェーン技術は仮想通貨を支え、通貨取引のあり方を変えました。
スマートコントラクトはこれを更に発展させ、世の中の契約全てをブロックチェーンで代替できるのではないか、と言われています。
エンターテインメント界に革命が起きる!
100%遵守される契約が結べる
今までの音楽の販売契約というのは、書面で交わされ、法的な拘束力はあっても100%取引相手が契約を守るという保証ができず、契約を巡って裁判になったりすることがありました。
しかしスマートコントラクトはブロックチェーン上で契約を交わします。
ブロックチェーン上で交わした契約はブロックチェーンの性質上、あとで改ざんすることができず、更に契約はプログラムによって自動で行われるため、どんなに契約を破ろうとしても破ることはできません。
曖昧だった作曲者、演奏者、歌手の利益がハッキリする
違法アップロードを防ぐことができる
スマートコントラクトで働き方が変わる!
労働も「働き手と雇用者の間で結ばれる契約」という事が出来ます。
つまり、スマートコントラクトで「この仕事を終わらせたら報酬を支払う」というプログラミングをしておけば、企業の人事部や財務部が賃金管理をしなくともプログラムが労働に応じて勝手に対価を支払ってくれます。
スマートコントラクトで法律のあり方も変わるかも!
スマートコントラクトによる所有権管理
スマートコントラクトはどうしたら使えるの?
スマートコントラクトを使ったサービスはまだ本格的に実現してはいません。
また、ブロックチェーンに記録できる情報量は通貨によって決まっているため、全ての通貨がスマートコントラクトにすぐに対応できるわけではありません。
そのため、これにすでに対応している仮想通貨はスマートコントラクトが使われるようになった時、世界で一番使われる仮想通貨になるかもしれませんね。
スマートコントラクト機能がある通貨1:イーサリアム(ETH)
スマートコントラクト機能がある通貨で恐らく一番有名なのは「Ether(ETH)」です。これは「イーサリアム」(Ethereum)というオープンソースソフトウェアプログラムの中で使われている内部通貨です。
スマートコントラクト機能がある通貨2:ネオ(NEO)
イーサリアム以外でスマートコントラクトが使える通貨といえば、ネオ(NEO)が挙げられます。
中国で生まれたネオ(NEO)は、イーサリアムを超える処理能力を持ち、また、そのオープンソースソフトウェアはイーサリアムよりもアプリを作りやすいため、多くの人が新しいアプリを作りやすい利点があります。
さらに、ネオは中国で作られた通貨であるため、今後中国国内で使われる主要通貨になる可能性もあります。
その場合はネオの価値は大きく上がると考えられます。
スマートコントラクト機能がある通貨3:リスク(LISK)
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まとめ
スマートコントラクトのスゴイところは、大きく3つあります。
今までの紙で行われた契約と違い、
1.100%取引が保障される
2.ブロックチェーンを使い、仲介機関を持たない
3.取引履歴をいつでも参照できる
という3つの点において、今までの紙の契約よりも素早く、安全な取引を行うことができる物です。
複雑な契約もプログラム出来れば自動で進めてくれるため、ミュージシャンが自分の楽曲の利用権利や支払いをスマートコントラクトにまとめて管理したり、さらには法律や国民の著作権などの権利の管理に使える可能性も秘めています。
このスマートコントラクトが利用できる仮想通貨は少ないですが、スマートコントラクト等のサービスに対応するために作られたサービス、イーサリアムで使われているイーサ(Ether)が最も有名でしょう。
イーサリアム以外ではネオ(NEO)、リスク(LISK)などがあります。
今後スマートコントラクトが一般化した時に、これらが世の中で広く使われる通貨になることは十分あり得ると思います。
bitbank(ビットバンク)
取扱通貨 | ビットコイン
イーサリアム ビットコインキャッシュ ライトコイン モナ リップル |
取引手数料 | 無料 |
セキュリティの高さ | ・二段階認証有り
・コールドウォレット対応 ・マルチシグ対応 |
使いやすさ | 初心者でも簡単(アプリ無し) |
通貨の購入方法 | 取引所のみ(ビットコイン以外も安く購入できる) |
取引所の出来高 | 取引高が高く安定して取引できる |
GMOコイン
取扱通貨 | ビットコイン
イーサリアム ビットコインキャッシュ ライトコイン リップル イーサクラシック |
取引手数料 | 無料 |
セキュリティの高さ | ・二段階認証有り
・コールドウォレット対応 ・マルチシグ対応 |
使いやすさ | ウェブもアプリも使いやすい |
通貨の購入方法 | 販売所のみ |
取引所の出来高 | 取引高が高く安定して取引できる |
BITPoint(ビットポイント)
取扱通貨 | ビットコイン
イーサリアム ライトコイン ビットコインキャッシュ リップル |
取引手数料 | 無料 |
セキュリティの高さ | ・アイ・エス・レーティングによる情報セキュリティ格付け『A』
・コールドウォレットとホットウォレットの利点を組み合わせた自社開発ウォレットで管理 ・マルチシグ対応 |
使いやすさ | ・取引ツールが使いやすい!MT4を導入
・提携銀行が多い |
通貨の購入方法 | 取引所のみ |
取引所の出来高 | 取引高が少な目 |